導入事例

融資クラウドプラットフォーム 鳥取銀行 様

鳥取銀行 様

 

「融資クラウドプラットフォーム」の導入理由は、汎用性と拡張性。
個人向けローンのWeb完結を実現し、住宅ローン、法人向け事業性融資などでの展開も計画しています。

 

株式会社鳥取銀行
個人コンサルティング部 次長 前田 周一様(右)
個人コンサルティング部 副調査役 入江 洋希様(左)

鳥取銀行は、鳥取県に本店を置いている唯一の地方銀行として、鳥取県に営業の重点を置いて展開しています。店舗は現在、県内に53店舗、県外にも島根県、岡山県、広島県、大阪府、東京都に12店舗を有しています。10年以上前から個人向けローンのWeb申込を始めており、ここ数年はスマートフォンの普及もあり、Web申込比率は上昇傾向にありました。Webでの手続利便性向上をめざし、セイコーソリューションズの「融資クラウドプラットフォーム」を導入し、個人向けローンで申込から契約までのWeb完結を実現しました。導入の経緯と導入効果について、鳥取銀行 個人コンサルティング部 次長 前田 周一様、同部 副調査役 入江 洋希様にお話を伺いました。

課題

  • 個人向けローンのWeb申込比率が高まった。
  • 契約手続についてもWebでの電子契約が必要。
  • 当行のスタイルや規模感に合う事業者から導入したい。

導入効果

  • 時間や場所にとらわれず手続きが可能となり、お客様の利便性が高まった。
  • 銀行全体として、業務の効率化につながった。
  • 住宅ローン、事業性融資での展開を計画。

1. 【導入の背景】 Webでの手続きニーズの高まり

── セイコーソリューションズの「融資クラウドプラットフォーム」を導入された背景について教えてください。

鳥取銀行は「とりぎん」の愛称でも親しまれており、シンボルマークである青い鳥は1989年10月のCI導入の際、行章として制定されました。

2020年以来、新型コロナウイルス感染拡大による影響が幅広い業種に広がっており、地域金融機関には地域社会の持続的発展に資するため、地方創生や金融仲介機能の発揮に加え、コンサルティング機能の発揮によるお取引先の課題解決支援や経営改善支援に取組んでいくことが求められています。
こうした中、当行は2021年度から2023年度までの3年間を計画期間とする中期経営計画「共創Innovation」を策定し、2021年4月にスタートさせました。本計画では、当行の経営の基本理念である「地域社会への貢献と健全経営」の考え方のもと、「地域イノベーション」、「経営改善イノベーション」、「コンサルティングイノベーション」、「デジタルイノベーション」という4つの重点戦略に取組むことで、新型コロナウイルスという困難を乗り越え、明るく持続可能な社会を創造していきたいと考えています。
また、中期経営計画に掲げた各施策を実現するための基盤戦略として、「人財強化」と「生産性向上」にも取組み、「地域を支え、明るい未来を創造するコンサルティングバンク」を目指していきます。

中期経営計画にもあるように、銀行業務におけるDX化と生産性の向上は、各分野においても喫緊の課題となっており、以前の計画でも取り組んでいました。個人コンサルティング部で取り扱う、個人向けのローンにおいては、すでに10年以上前からローン申込をWebで行えるようにしています。そしてスマートフォンの普及もあってか、ここ数年、Webでの申込割合が増加の一途を辿っています。こうしたWebでの手続きニーズの高まりもあり、契約手続きまでをWebで完結できないかの検討を開始しました。

鳥取銀行のWeb完結ローンのホームページ
鳥取銀行のWeb完結ローンのホームページ

2.【導入の経緯】トータルで見て当行のスタイルや規模感に合う

── 「融資クラウドプラットフォーム」を導入された経緯を教えてください。

ローンの申込は以前よりwebでの手続きが可能でした。ただ、それ以降の手続きは紙面となるため、審査が承認された後、いざ契約となると銀行の窓口まで来ていただく必要がありました。ローンの申込をされる方の多くは日中は仕事をされていますし、銀行の営業時間は基本的に平日の朝9時から15時までです。するとなかなか銀行が開いている時間帯にご来店いただくのは、お客様にとって大きな負担でした。うまく都合がつかなければ、お休みを取らないといけなかったりしますが、なかなかお休みは取りにくいものです。都合をつけるのが難しいというお客様も多くいらっしゃる中で、やはりお客様の利便性を向上させたい、よりスムーズに、便利にローンの手続きをしていただくためには、最後の契約までWebで行えるようにするべきではないかという意識が高まり、課題として大きなものになっていきました。
他行の導入事例などを拝見していく中で、当行でも契約までWebでできるように対応し、時間や場所に関係なく、いつでもどこでもお手続きしていただけるようにしなければならないと判断しました。

「トータルで見て当行のスタイルや規模感に合う事業者を探しました」と、前田周一様
「トータルで見て当行のスタイルや規模感に合う事業者を探しました」と、前田周一様

── 他行の事例を参考にしながらシステムベンダーを探したのですか。

当行では自行内での開発も行っていますので、まず自行内で開発するのか、それともシステムを提供する事業者と共同して行うのか、どの方法でいくのかを検討しました。自行内の開発の場合、一からの開発だと労力が必要ですし、導入後のメンテナンスや管理面で非常に大変だということから、総合的に見て事業者が提供しているシステムを利用して進めていくことが導入手法としては合っていると考えました。

── 具体的には何社を比較検討されたのですか。また、その際の要件もお教えください。

2019年の夏頃から具体的な検討を進め、他行の事例や情報を吟味して、セイコーソリューションズを含む3社に絞って比較検討を行いました。
比較の際の要件としては、他行の事例も踏まえつつ、導入にあたって必要になる当行のリソースをどれくらい割く必要があるのか、導入後の管理面など、トータルで見て当行のスタイルや規模感に合う事業者を探しました。

3.【導入の決め手】 決め手は汎用性と拡張性

── 「融資クラウドプラットフォーム」を導入された決め手を教えてください。

一番の決め手は汎用性と拡張性です。
今回は消費者ローンでの電子契約の導入ですが、当行としては将来的に消費者ローンだけでなく、例えば住宅ローンであったり、事業性融資といった分野にも電子契約システムを拡張していきたいと考えていました。
セイコーソリューションズの「融資クラウドプラットフォーム」は汎用性もあり、そのまま将来予定している分野への拡張にも対応できるということが、大きな決め手になりました。コストという要素も重要でしたが、汎用性が高く、拡張性があることが一番でした。

「汎用性が高く、拡張性があることが一番の決め手でした」と入江洋希様
「汎用性が高く、拡張性があることが一番の決め手でした」と入江洋希様

── 導入に向けての開発は順調でしたか。

2019年の終わりには「融資クラウドプラットフォーム」の導入を決めていましたので、2020年から開発に入りました。こだわったところはインターフェイスです。実際に画面を作ってもらうと、設計段階で考えていたこと、イメージしていたこととは違っていたり、想定していなかったことに気づいたりしました。この部分はこうした方がいいのではないか、お客様が実際に使うときに使いにくいのではないか、そういった部分はセイコーソリューションズとともに改良を重ねました。
Web完結をめざしているのですから、使いにくい画面では意味がないので、そこは妥協せずに行きました。丁寧かつスピーディーな対応には感謝しています。

無担保ローン契約手続きをWebで完結する環境を構築し、新サービス「個人向けWEB完結ローン」として2021年5月19日よりスタートすることができました。

4 .【導入の効果】 お客様の利便性が高まった

── 「融資クラウドプラットフォーム」の導入効果を教えてください。

1.お客様の利便性が高まった。
今までは申込しかできませんでしたが、「融資クラウドプラットフォーム」の導入で契約までWebでできるようになりました。以前は契約のために来店しないといけなかったのですが、お客様が時間や場所にしばられることなく、ローンの手続きができるようになりました。来店の都合がつかずに融資実行まで時間がかかったり、中には契約を断念されるお客様もいらっしゃいましたので、Webで完結できることで、お客様の利便性が高まったと考えています。特に来店することが困難なお客様にも対応できるようになったため、契約に至らずに離脱するケースは確実に減っていると思います。また、来店の都合がつかず手続きに時間がかかっていたお客様に関しては、Web完結により融資実行までの時間が短縮されているケースもあると思います。

2.銀行の業務効率化につながった。
窓口で契約手続きに充当していた時間を、お客様への提案や営業活動に使えるようになっています。また、一部ではありますがこれまで紙でやりとりしていた契約手続きがWebで行えるようになったことで、ペーパーレス化に貢献している部分もあると思います。銀行全体として考えれば、業務効の効率化につながっていると思います。

3.メールのやりとりで連絡がつきやすくなった。

今までは申込や契約に関する確認においては、電話しかお客様との連絡手段がありませんでした。電話は銀行のフリーダイヤルの番号でおかけするのですが、見慣れない電話番号に用心されるお客様もいらっしゃり、なかなか連絡がつきにくい悩みがありました。「融資クラウドプラットフォーム」でメールによる連絡ができるようになったことで、都合の良い時間にメールを見ていただくことで、手続きを進めていただきやすくなったと思います。こうしたお客様とのコミュニケーションの面でも以前より改善できていると考えています。

4.将来的なDX化の道筋が一つできた。
契約書を電子化することによって、紙で保管する契約書類すべてがなくなるわけではありませんが、将来的には完全なペーパーレス、データでの保管ということができればいいと考えています。今回、「融資クラウドプラットフォーム」の導入で契約を電子化できたことは、将来的な銀行のDX化の道筋が一つできたのではないかと思います。

── 消費者ローン自体の申込の伸びなどにはつながったのでしょうか。

申込自体は以前からWebでできるようになっていましたので、申込の大半は便利の良いWeb経由でした。契約までWebでできるようになったからといって、申込の大幅な増加につながるとは考えていません。やはり銀行の窓口で手続きを行う方が安心するというお客様もいらっしゃいます。普段からインターネットを利用されていないお客様もいらっしゃいますので、すべて電子契約というわけにはいかない部分もあります。
現在はキャンペーンでWeb申込の場合は金利を優遇していますが、今後は恒常的な商品としてweb契約で金利の優遇をする商品を導入するなど、Web完結率を高める取り組みをしていきたいと考えています。

鳥取銀行本店
鳥取銀行本店

5.【今後の期待】Webでの各種手続きの提供も計画

── 「融資クラウドプラットフォーム」の今後の活用予定を教えてください。

現在は個人のお客様向けの消費者ローンでの取り組みだけですが、今後は事業性融資などの法人のお客様向けにも展開を考えています。さらに個人向けですが住宅ローンにおいてもWebでの各種手続きの提供も計画しています。
それらの分野にも展開できれば、より多くのお客様の利便性に寄与できると思います。銀行としても、いろいろな事務業務の面で改革、改善が図れる部分も出てくると考えています。銀行としてデジタル化、DX化の部分をもっと加速させるきっかけになればいいですね。

── セイコーソリューションズ並びに「融資クラウドプラットフォーム」への期待、リクエストなどありましたらお聞かせください。

実際にお客様に使っていただくことで、お客様の操作性だったり、インターフェイスの部分でここをこうしたらさらにわかりやすくなるのではないか、という要望はいくつか挙がっています。セイコーソリューションズからのご提案も含め、そうした部分のブラッシュアップ、アップデートを今後できるといいと考えていますので、引き続きよろしくお願いします。

鳥取銀行様、
本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

お客様プロフィール

◎鳥取銀行
URL:https://www.tottoribank.co.jp/index.html

※ 取材日時 2022年9月

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