導入事例

融資クラウドプラットフォーム トマト銀行

トマト銀行

 

「融資クラウドプラットフォーム」の導入で、住宅ローン、事業性融資の同時リリースを実現し、大半の契約を電子化しました。

 

トマト銀行
営業統括部 調査役 石川 覚様
営業統括部 係長 佐藤 啓司様

 

トマト銀行は、平成元年(1989年)に普通銀行に転換し、名称をトマト銀行としました。当時はカタカナの行名の銀行はなく、非常に柔らかい発想だということで、全国的に一躍有名になりました。地方銀行として地元を見つめ返して、地域の皆様とともにがんばってきたことで、2021年11月には創立90周年を迎えました。セイコーソリューションズの「融資クラウドプラットフォーム」を導入し、住宅ローン、事業性融資で電子契約を実現した経緯と導入効果について、トマト銀営業統括部 調査役 石川 覚様、同部 係長 佐藤 啓司様にお話を伺いました。

課題

  • 個人ローンではWeb完結を実現。
  • 住宅ローン、事業性融資を電子化したい。
  • 個人ローンのWeb完結との連携を模索。

導入効果

  • 住宅ローン、事業性融資を同時リリース。
  • 住宅ローン、事業性融資の大半が電子契約に。
  • 行内のペーパーレス化に貢献。

1. 【導入の背景】 カタカナ行名で一躍有名に

── トマト銀行について教えてください。

もともとは山陽相互銀行という名前でしたが、平成元年(1989年)に普通銀行に転換し、名称をトマト銀行としました。当時はカタカナの行名の銀行はなく、非常に柔らかい発想だということから、首都圏においても一躍有名になりました。トマト銀行のロゴマークが入った通帳を作りたいというお客さまが大勢いらっしゃり、一時は首都圏の資金量がぐっと増えました。ただ、当社は地方銀行ですので、地元に根差した銀行として、地域の皆様とともに今日までがんばってきました。
なおトマト銀行の由来は、トマトのもつみずみずしく、新鮮で、明るく健康的なイメージが、当社のめざすべき企業イメージとピッタリ合うということで発案されたものです。

当社のキャッチフレーズは私たちが入社する以前から「人間大好きトマト銀行」です。これはすべてのお客さまもそうですし、全社員も、すべての人たちによりそっていこうというものです。
2021年11月には、お客さま、地域の皆さま、そして株主の皆さまのご支援の賜物により創立90周年を迎えることができました。創業当時からの「困ったときにはお互いに助け合う」という相互扶助の精神で、お客さまとの確かな信頼を築き、地域に根差した取り組みを展開することで、100周年を目指していきます。

トマト銀行の住宅ローンのホームページ
トマト銀行の住宅ローンのホームページ

── セイコーソリューションズの「融資クラウドプラットフォーム」を導入された背景について教えてください。

これは当社内というよりも日本経済全体として、ペーパーレス化、デジタルソリューションの普及が進行しています。当社でもデジタル化に向けて進む中で、個人向けローンではWebを使ったサーピスを展開しており、無担保ローンに関しては申込みから契約まですべての手続きをWebで完結できる仕組みを用意しました。住宅ローンや事業性融資でもWeb完結と連携したシステム構築ができないかを検討していました。

2.【導入の経緯】「融資クラウドプラットフォーム」の説明会に参加

── 「融資クラウドプラットフォーム」を導入された経緯を教えてください。

信用保証会社の系列のMerryGateホールディングスと、セイコーソリューションズが共同開発した「融資クラウドプラットフォーム」の説明会に参加したのが2019年2月でした。そこでいろいろと教えていただき、社内で議論を重ねたところ、業務フローと一体になった「融資クラウドプラットフォーム」を導入しようという方向になりました。その後、1年間は情報収集と課題検討の期間となりましたが、同年夏には先行して導入されている中国地方の地銀を視察させてもらい、これなら私たちでもがんばればできるのではないかという感触を得ました。

個人ローンのWeb完結にも関わっていましたので、電子化の大体の流れは掴めていました。各部署のワーキンググループと、Web完結との共通点と違いについて検討したことを覚えています。そうして検討を進めていくうちに、Web完結と電子契約はそれぞれに長所があり、似通った部分もありますが、細かいところに行くとまったく別のものということがわかりました。そこで個人ローンのWeb完結とは別に、「融資クラウドプラットフォーム」導入の方向が出ました。
その後、第二地方銀行協会が開催した電子契約のWeb説明会があり、そこにセイコーソリューションズなど4社が登壇しており、情報収集させてもらいました。

結論として最初に紹介していただいた「融資クラウドプラットフォーム」の導入を決めました。

「最初に紹介していただいた「融資クラウドプラットフォーム」の導入を決めました」と、石川覚様
「最初に紹介していただいた「融資クラウドプラットフォーム」の導入を決めました」と、石川覚様

3.【導入の決め手】 住宅ローン、事業性融資を同時リリース

── 「融資クラウドプラットフォーム」を導入された決め手を教えてください。

「融資クラウドプラットフォーム」は業務フローと一体となっている点と、同じ中国地方の企業、MerryGateホールディングスがセイコーソリューションズと共同開発している点ですね。申込受付のフロント部分と電子契約を別々に導入するよりも、コストダウンのメリットもあると考えました。こうした住宅ローンと事業性融資で「融資クラウドプラットフォーム」の導入を決めました。

── 「融資クラウドプラットフォーム」を導入開発はいかがでしたか。

導入開発期間は大体6ヵ月ということで、キックオフは2021年1月で、当初は7月のリリースをめざしました。しかし、実際に導入開発を進めてみると、社内規程など周辺の準備が必要なこと、営業店が対応できる準備期間、研修期間も必要で、スタートに向けて準備をしっかり行おうと10月スタートに変更しました。
既存のシステムとの連携には簡単にいかない部分もありました。例えば電子契約書はPDFファイルですが、当社の既存のシステムに読み込んだ場合に、電子での署名パネルの有効性の確認など、いろいろな調整が必要でした。

開発の順番として住宅ローンを先行させ、軌道に乗ってきたら事業性融資に展開するつもりで当初は進んでいました。セイコーソリューションズからも、同時リリースの銀行はあまりなかったとお聞きしていました。しかしながら、社内ではどちらもいち早くリリースをとの意見が出ましたので、セイコーソリューションズに打診したところ、やろうと思えばできるとの返答をいただきました。改めて見積もりをもらったところ、同時に進めた方が費用を圧縮できることもわかり、同時リリースで進めることとなりました。大変な部分もありましたが、なんとかやりきり、2021年10月にリリースしました。

「途中から同時リリースで開発を進めました」と佐藤 啓司様
「途中から同時リリースで開発を進めました」と佐藤 啓司様

4 .【導入の効果】 住宅ローンの8割以上が電子契約に

── 「融資クラウドプラットフォーム」の導入効果を教えてください。

1.住宅ローンの8割以上が電子契約になった。
住宅ローンですから、新築住宅もあれば、他行からの借り換えもあります。住宅ローンセンター、営業店ともに電子契約をしっかりと使っている証が、この8 割以上という数字に現れていると思います。
他行への視察の際、当初3割で、てこ入れして5割とのお話もありましたので、正直なところ5割がいいところかなと思っていましたので、8 割以上という数字はうれしい限りです。ここからさらに伸ばしていくことは大変だと思いますが、より行内で活用してもらえるように、研修会などはこれからも行なっていく予定です。
お客さまからも行員からもいいシステムが入ったという声を聞くたびに、がんばってよかったと感じます。

2.事業性融資の大半が電子契約を利用。
事業性融資は開始後にお客さまにより積極的にお使いいただけるよう、手数料体系を変更しました。それまで4割~5割だった割合が、変更後はそれ以上となってきています。

3.お客さまの負担軽減で喜ばれる。
住宅ローンの場合、通常2万円の印紙税がお客さまのご負担となります。電子契約ではそれがなくなります。一方で利用手数料をいただきますが、トータルではご負担が軽くなったと喜んでいただけています。これは事業性融資のお客さまも同様です。

4.行内のペーパーレス化を加速できた。
今回の導入では、あまり業務フローが変わらないように意識して開発を行いました。そして社内連携、データ連携を進めました。契約後の債権処理データは債権書類集中保管センターのシステムと連携できましたし、個人ローンのWeb完結のデータ、PDFも連携できるように変更しました。
電子契約の導入に合わせてうまく流れていくようなワークフローに変えていますので、業務の効率化につながり、行内のペーパーレス化にも大きく踏み込めたと思います。

トマト銀行本店
トマト銀行本店

5.【今後の期待】電子化できる書類は電子化を進める

── 「融資クラウドプラットフォーム」の今後の活用予定を教えてください。

住宅ローンでは、契約書類が3つあるうちの金銭消費貸借契約書を電子化していますが、外部に提出する書類、抵当権の設定手続きは法務局が電子化されていませんので紙で残っています。団体信用生命保険はWebで連携できるところとできないところがあり、まだ紙が残っています。また、保証会社に提出する保証委託契約書は準備が整い次第電子に切り替えていく予定です。
事業性融資では提携している信用保証協会の保証書の電子化が完了しました。

なるべく早いタイミングでスタートしたいと計画していましたので、スモールスタートの部分もあります。他行では住宅ローンのつなぎ融資に対応しているところや、支払承諾という保証をうまく使った制度の融資で活用しているところもあります。お客さまにメリットがあり、社内的にもワークフローにすっきりと収まるのであれば、積極的に考えていく予定です。

── セイコーソリューションズ並びに「融資クラウドプラットフォーム」への期待、リクエストなどありましたらお聞かせください。

開発途中でも私たちが欲しい情報、こうした方がいいのではないかという提案、こうした問題が出た場合は、他行ではどう対処しているなど、初めての開発でしたのでわからないことがいろいろありましたが、MerryGateホールディングス、セイコーソリューションズ両者からタイムリーな情報をいただき感謝しています。
また、セイコーソリューションズでは定期的にセミナーやユーザー会を開催して、有益な情報を提供してくれています。社内にいるだけではシステム的なソリューションの知識を広げていくのは限界があります。セミナーなどの機会はとても有効ですので、ぜひ活用させていただきたいと思います。また、今後の開発についてのご提案やアドバイスにも期待しています。

 

トマト銀行様、
本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

お客様プロフィール

◎トマト銀行
URL https://www.tomatobank.co.jp
※ 取材日時 2022年10月

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