川崎信用金庫
業務部 副部長 小林亮二様
業務部 審査役 行成 梓様
神奈川県川崎市に本店を置く唯一の中小企業向け地域金融機関である川崎信用金庫は、川崎市・横浜市・東京都大田区という、今後も人口増加が見込まれる発展著しいエリアに計56店舗を展開し、2025年6月には支店としては27年ぶりとなる新店舗を大森に出店します。事業計画の柱としてDXに取り組む同金庫では、2024年8月よりセイコーソリューションズの「融資クラウドプラットフォーム」を導入し、住宅ローンでの電子契約をスタートさせました。導入の経緯と導入効果について、川崎信用金庫 業務部 副部長 小林亮二様、同部 審査役 行成梓様にお話しを伺いました。
── 川崎信用金庫について教えてください。
川崎信用金庫は神奈川県川崎市に本店を置く、唯一の中小企業向け地域金融機関です。川崎市・横浜市・東京都大田区という、今後も人口増加が見込まれる発展著しいエリアに計56店舗を展開しています。2025年6月には、27年ぶりに新店舗を大森に出店します。
創立以来一貫した堅実経営に徹し、盤石な経営体質の構築に向け歩み続けており、金融機関の財務の健全性を示す重要な指標の一つである自己資本比率は12.21%(2023年度)と高い水準を維持しています。
地域と共に歩む協同組織金融機関(非営利)としての役割を果たすべく、金融サービスの提供にとどまらず、中小企業に対するコンサルティング機能の発揮や文化的・社会的な地域貢献を通じて、地域社会の活性化に積極的に取り組んでいます。
2023年には創立100周年を迎え、それを機に経営理念を刷新しました。
新たな経営理念は、「お客さま」「職員」「金庫」「地域」の「未来」に続く共存共栄。
・地域の発展とそこに住み働くすべての人の幸せを目指します。
・安心してお取引いただけるよう健全経営の維持・発展に努め、働きがいのある職場環境を築きます。
・多様性を尊重し、持続可能な未来の実現に貢献します。
を掲げています。
当金庫は『この街のベストサポーター』として、お客さまの一番の応援者であり続け、『身近で、気軽で、頼りになる』金融機関をこれからも目指していきます。
そして事業計画の柱の一つとして業務のDX化を積極的に推進しています。
── 2024年8月よりセイコーソリューションズの「融資クラウドプラットフォーム」を導入し活用されています。導入に至った経緯を教えてください。
当金庫の事業計画の柱の一つとして業務のDX化を掲げており、数年前から各部門でDXによる業務の効率化を図るべく取り組んでいます。私たち業務部でも、何ができるのかを検討しました。
そこで一番の目指す方向として出てきたのが、非対面化です。具体的にDXで非対面といった場合、その第一歩となるのが契約書の電子化ではないかと考えました。ちょうど数年前から住宅ローンの取扱件数が増加傾向にありました。住宅ローンに電子契約を導入でき効率化が図れると、支店の負担軽減につながるということから、具体的な導入の検討を始めました。
── どのようなきっかけで「融資クラウドプラットフォーム」をお知りになりましたか。
電子契約システムの導入に際しては、セイコーソリューションズを含む4社のシステムを比較検討しました。いずれも信金中央金庫や取引先などからのご紹介によるものです。
システムの汎用性やコストなどで比較検討し、最終的に役員決定の会議にあげたのは2社です。ただ、もう1社は事業者署名型<立会人型>に対応しておらず、他のシステムとの連携に時間がかかるため、セイコーソリューションズの「融資クラウドプラットフォーム」の導入を決めました。機関決定は2023年8月です。
── 「融資クラウドプラットフォーム」導入の決め手を教えてください。
導入の決め手は下記の3点です。
個人向け融資契約、事業性融資契約など、契約の種類を問わず利用できることに加え、電子署名方式(当事者型、事業者署名型<立会人型>)が選択でき、非対面の契約方式にも標準で対応しています。その上で、当金庫が利用している既存のシステムとの連携もきちんと図れる汎用性の高さを高く評価しました。
「融資クラウドプラットフォーム」はSaasでのサービス提供となり、パッケージでありながら比較的運用の自由度が高く、かつランニングコストが安価に抑えられることを高く評価しました。
金融機関への導入実績が豊富であることに加え、ユーザー会の開催など多彩な情報提供により、「融資クラウドプラットフォーム」の活用にとどまらず、DXに関する知見を深める機会を提供してもらえることを高く評価しました。
── 「融資クラウドプラットフォーム」の導入はスムーズに進みましたか。
機関決定後、半年をかけて契約書を電子用に作り替え、マニュアルの整備を行いました。システムの導入や既存のシステムとの連携はスムーズに行えましたので、むしろ金庫内での対応をどうするかに費やしました。
2024年2月からは試行店舗を4店舗設定して、そこから徐々にスタートしました。そして5月からはさらに試行店舗を10店舗増やしました。スモールスタートで課題を抽出して、その課題をクリアした上で全店展開するのが当金庫のスタンスです。
そして2024年8月から全店舗での取扱をスタートしました。
──スモールスタートでの課題はどのようなものがありましたか。
例えば電子用の契約書を作成して、「融資クラウドプラットフォーム」に登載する作業は、日頃携わらない作業になりますので、最初は戸惑いもあったようです。そこでマニュアルをよりわかりやすく簡易に作業できるように作り替えました。
「融資クラウドプラットフォーム」自体の操作は、非常にわかりやすくできているので戸惑う職員はいませんでした。
また、職員には最終的に目指すところは完全非対面であることをきちんと伝えました。金銭消費貸借契約証書などの一部の契約書の電子化はその第一歩であり、今後、その対象となる書類を増やしていくこと、それにより業務の負担が減り、効率化につながっていきますので、新たな業務としてチャレンジして欲しいと伝えました。
── 「融資クラウドプラットフォーム」の導入効果について教えてください。
月によってバラつきはありますが、75%、4件中3件は電子契約というイメージです。当金庫では申し込みの際に紙の契約書か電子契約かを選択してもらいます。電子契約事務が浸透した11月くらいからグッと比率が高まりました。
電子契約を選ばれると、印紙代の負担が不要になり、お客さまには大変喜んでいただいています。そして契約書が電子化されることで、お客さまの契約書への記入・捺印の手間が少し削減できました。
従来業務だけでなく、電子契約の導入でDXにつながる業務を若い職員に経験してもらうことで、業務の幅の広がりを実感してもらい、今後、DXを活用した業務に取り組んでいくという意識づけにもつながりました。
── 「融資クラウドプラットフォーム」の今後の活用予定がありましたらお聞かせください。
今は一部の契約書の電子化ですが、その対象となる書類をもっと増やしていきたいと考えています。また、非対面・電子化は進めていくべきジャンルですので、受付部分の電子化にも取り組んでいく予定です。住宅ローンを申し込まれる方は会社勤めの方が多く、どうしても当金庫の営業時間内にいらっしゃることは困難な場合があり、すると夜遅くや土日などに時間をいただくことになります。そうしたお客さまの負担をできるだけ減らしていきたいと考えています。同時に、当金庫職員の働き方の部分での負担経験にもつながると考えています。
── 「融資クラウドプラットフォーム」並びにセイコーソリューションズに対する期待、リクエストがありましたらお聞かせください。
導入後、特にトラブルなく安定稼働しています。導入初期に不明点があって問い合わせた際も、システム担当者のレスポンスが早く、大変助かりました。
またユーザー会は毎回違うテーマで実施されており、大変参考になります。他の金融機関の方と知り合う機会にもつながり、他金融機関の事例を直接担当の方からお聞きできるのは、大きなメリットと考えています。
今後とも非対面化・電子化のご提案、そしてサポートに期待しています。
川崎信用金庫様、本日はお忙しい中、貴重なお話しをありがとうございました。