導入事例

融資クラウドプラットフォーム 保証協会システムセンター株式会社 様

保証協会システムセンター株式会社 様

信用保証書の電子化を推進するために、
セイコーソリューションズの「融資クラウドプラットフォーム(電子契約)」を導入。
全国51ある信用保証協会のうち33協会、130の金融機関が活用しています。

 

保証協会システムセンター株式会社
常務取締役 業務部長 上野 明様(中左)
業務部業務課 課長 鈴木 健吾様(中右)
業務部業務課 課長代理 高井 将志様(左)
業務部業務課 係長 柳澤 純様(右)

保証協会システムセンター株式会社は、2007年5月に稼働した信用保証協会の共同システムである「COMMON SYSTEM」の企画・開発・運用保守業務を行っています。今日では全国51信用保証協会のうち、43信用保証協会からの委託を受けています。信用保証書の電子化の実現にあたっては、セイコーソリューションズの「融資クラウドプラットフォーム(電子契約)」を導入し、33協会、130の金融機関が活用しています。導入の経緯と導入効果について、保証協会システムセンター株式会社、常務取締役 業務部長 上野 明様、業務部業務課 課長 鈴木健吾様、同課課長代理 高井将志様、同課係長 柳澤純様にお話を伺いました。

課題

  • 金融機関の急速な電子化・ペーパーレス化への対応が必要。
  • 保証需要が減っていたため、金融機関に対する有効な提案が必要。
  • 幅広い金融機関が利用しやすい電子保証書システムが必要。

導入効果

  • 融資のリードタイム短縮。
  • 金融機関、信用保証協会、ともに業務の合理化につながった。
  • 金融機関における信用保証書の保管負担、紛失リスクの軽減。

1. 【導入の背景】 金融機関における電子化・ペーパーレス化に対応

─ セイコーソリューションズの「融資クラウドプラットフォーム(電子契約)」を導入された背景について教えてください。

保証協会システムセンター株式会社は全国51信用保証協会のうち、43信用保証協会からの委託を受けて共同システムである「COMMON SYSTEM」の企画・開発・運用保守業務を行っています。もともとは2003年12月に、千葉県、東京、静岡県、愛知県、福岡県の5協会が「システム共同化に関する覚書」に調印し、5協会による共同システム開発がスタートしたことから始まります。「COMMON SYSTEM」は2007年5月に上記5協会でシステムが稼働し、徐々に参加する協会が増え43協会となりました。

信用保証協会は保証協会法に基づいて設置されている組織で、組織としては独立経営を行っています。ただ、業務的には全国でほぼ同じ内容の業務を行っていますので、システムの共同化は自然の流れとして出てきたものです。
また、現在は一般社団法人全国信用保証協会連合会と連携して、保証申込手続きの電子化にも取り組んでいます。

「融資クラウドプラットフォーム(電子契約)」を導入した背景には、金融機関における電子化・ペーパーレス化の急速な進展があります。信用保証協会は中小企業・小規模事業者が金融機関から事業資金の融資を受けるとき、保証人となって資金調達を容易にする、金融円滑化のための公的機関です。

保証人としての信用保証書は専用紙で金融機関に交付され、金融機関ではその保管が必要となります。というもの信用保証書は事業性融資契約書の一部になるからです。金融機関の電子化が進む中、申込書を提出し、審査を受け、信用保証書を交付してもらい、それを郵送などで受け取り、最終的に保管しなければならないことが金融機関にとって大きな負担になっていました。その課題解決のお手伝いができないかを検討してきた中で、信用保証書の電子化が出てきたのです。

一方で、信用保証協会による保証が減ってきているという協会側の側面もあり、金融機関の負担を軽くするための方法を提案して、協会を使っていただけるよう働きかけていこうという考えもありました。

共同システムである『COMMON SYSTEM』は43協会が活用しています」と、上野明様
共同システムである『COMMON SYSTEM』は43協会が活用しています」と、上野明様

2.【導入の経緯】より多くの金融機関に受け入れてもらいやすい方法を

─「融資クラウドプラットフォーム(電子契約)の」導入にいたった経緯を教えてください。

電子契約と一口にいっても様々な導入方法があります。例えば中小企業者が差し入れる委託契約者に電子契約を導入しようとすれば、認証の面等でハードルが高くなってしまいます。信用保証協会をご利用いただく金融機関は全国にあり、メガバンクから地方銀行、信用金庫、信用組合など、規模も違えば、電子化の取り組み状況も異なります。そのような中で比較的規模が小さい金融機関の場合、電子契約自体に対応することは困難ではないかと推察しました。

そこで今まで紙であったものを、まず電子に置き換えるところからスタートしようと考えたのです。専用紙に印刷した信用保証書と同等の原本性が確保できる電子保証書について検討を重ね、PDF化して電子署名とタイムスタンプを付与し、改ざん検知が可能な仕組みが、より多くの金融機関に受け入れてもらいやすい方法ではないかと考えました。

「セミナーに出席したのが『融資クラウドプラットフォーム』を知ったきっかけです」と、鈴木健吾様
「セミナーに出席したのが『融資クラウドプラットフォーム』を知ったきっかけです」と、鈴木健吾様

─ セイコーソリューションズを知ったきっかけを教えてください。

電子契約サービスを検討する中で、セイコーソリューションズのセミナーに出席したのが「融資クラウドプラットフォーム(電子契約)」を知ったきっかけです。我々自身が電子契約に関する見識が狭かったので、理解を深める良い機会と考え参加しました。

─ 複数の会社の電子契約サービスを比較検討されたのですか。

調べているときはいろいろと拝見しましたが、最終的に比較検討したのは、「融資クラウドプラットフォーム(電子契約)」と別会社の2つのシステムでした。
当社では長期保管ができて、いつでも金融機関がクラウドサービスで原本を確認できる仕組みが望ましい、つまり保管の負担がなくなることを考えていました。別会社のシステムは保証書をPDF化して送付するところは同じですが、保証書原本は協会で保管する必要がある内容でした。もちろんコストについても比較検討し、「融資クラウドプラットフォーム(電子契約)」の導入を決めました。

3.【導入の決め手】 金融機関ヘ多数のサービス導入実績がある

─ 「融資クラウドプラットフォーム」を導入した決め手はどこにあったのでしょうか。

導入の決め手となったのは以下の通りです。

1.タイムスタンプ発行数のシェアNo.1
国内のタイムスタンプ発行シェアNo.1であることに加え、金融機関ヘ多数のサービス導入実績があることから、信頼性の高さに期待しました。

2.カスタマイズ可能な柔軟性
金融機関が電子保証書をダウンロードする画面のカスタマイズができること、ダウンロードを一括で行えるツールの提供など、カスタマイズ性を評価しました。

3.コストが適正
今回の電子保証書は金融機関の負担なしでの実現を計画していましたので、コストが適正であることも重要でした。保管する電子保証書がかなりの数になりますし、保証期間は5年だけでなく、10年、15年と長期間の保証もありますので、そのコスト負担にも大きなものがあります。いくらいいシステムでも、利用する信用保証協会がコスト負担に耐えられなければ意味がありませんので、コストは重要なポイントです。

4.契約は当社のみで可能
比較検討した他社の場合、利用する1金融機関あたりに追加料金が発生するものでしたが、セイコーソリューションズは追加料金の発生がなく、また契約も協会ごとでなく当社1社のみの契約でサービス提供できるものでした。どれくらいの金融機関が利用されるかわからない状況の中、最終的なコストが見通せたのは大きなポイントでした。

「最終的なコストが見通せたのは大きなポイントでした」と高井将志様
「最終的なコストが見通せたのは大きなポイントでした」と高井将志様

4 .【導入の効果】 金融機関、信用保証協会の業務効率化につながる

─ 「融資クラウドプラットフォーム(電子契約)」導入効果を教えてください。

1.金融機関担当者の負担軽減につながる
「融資クラウドプラットフォーム(電子契約)」の導入で、保証決定からおおむね5分程度でタイムスタンプが付与された電子保証書がクラウド上のサーバーに格納され、金融機関がダウンロードできる状態になります。
従来、信用保証書は郵送または協会窓口での手渡しで交付していました。早期に融資実行を行いたい場合は、金融機関担当者は保証書が発行されるのを待って、窓口で受けとっていました。その時間的負担、保証協会へ足を運ぶという業務負担はなくなりました。
また、電子保証書の原本はクラウド上のサーバーに保管されるため、金融機関における紛失リスクもなくなっています。

2.融資のリードタイム短縮
保証協会から金融機関に保証書を郵送したとすると、数日はかかっていました。その期間がなくなりますので、わずかな日数ではありますが、融資までのリードタイムの短縮につながり、資金を必要としている中小企業・小規模事業者によりスピーディーに融資が実行されます。リードタイムの短縮は金融機関からも喜ばれています。
サービスを開始した2020年7月はコロナ禍での緊急融資の申し込みが増加している最中でもあり、すぐに業務フローを修正しての導入ができない協会や金融機関もありましたが、業務の効率化・リードタイムの短縮化の側面が注目され徐々に利用が増加して、今日では33協会、130の金融機関にご利用いただいています。※2022年9月1日時点

3.信用保証協会の業務合理化につながる
信用保証書を専用紙に印刷をし、それを封入して、郵便に出すという作業は省略されていることで、協会自身の業務の合理化にも役立っています。

「コロナ禍での緊急融資への対応にわずかながらですが貢献できました」と柳澤 純様
「コロナ禍での緊急融資への対応にわずかながらですが貢献できました」と柳澤 純様

5.【今後の期待】信用保証業務の電子化につながる提案に期待

─ セイコーソリューションズ並びに「融資クラウドプラットフォーム(電子契約)」への期待、リクエストなどありましたらお聞かせください。

導入に向けた検討段階では、電子保証書の参照権限制御など、サービス仕様に関する複数の懸案事項が発生しましたが、技術担当の皆さんのきめ細かなサポートにより、一つひとつ解決していくことができ、とても感謝しています。

また、稀に発生する障害時において、発生事象や原因、対応状況など情報を早期に利用者側に連携できる仕組についての導入検討をお願いします。今後とも信用保証業務の電子化につながる提案に期待しています。

保証協会システムセンター様、
本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

お客様プロフィール

○ 保証協会システムセンター株式会社

※ 取材日時 2022年8月

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