導入事例

融資クラウドプラットフォーム 青森銀行 様

青森銀行 様

 

導入前研修でのエラーメッセージ対応研修が功を奏し、「融資クラウドプラットフォーム」導入半年で、住宅ローンの電子契約率は全店平均80%以上、ローンプラザ90%以上になりました。

 

青森銀行
営業推進部 個人営業課 小林 彩様(左)
営業推進部 個人営業課 佐藤 明穂様(右)

青森銀行は2022年4月にみちのく銀行と経営統合し、金融持株会社である株式会社プロクレアホールディングスを設立し、持ち株会社体制に移行しました。さらに2025年1月には、青森銀行とみちのく銀行が合併し、新しく青森みちのく銀行としてスタートする予定です。セイコーソリューションズの「融資クラウドプラットフォーム」を導入し、住宅ローンで電子契約を実現した背景と経緯、導入効果について、青森銀行 営業推進部 個人営業課 小林 彩様、同課 佐藤 明穂様にお話を伺いました。

課題

  • ペーパーレス化の進展が電子契約を後押し。
  • 競合行がすでに同様のシステムを導入していた。
  • お客様の印紙代負担の軽減が必要になる。

導入効果

  • 住宅ローンの全店平均80%以上、ローンプラザ90%以上が電子契約に。
  • 印紙代が不要になるなどお客様にとってトータルでの負担が軽減。
  • 電子契約手数料は新たな利用料収入に。

1. 【導入の背景】 2025年1月に青森みちのく銀行へ

── 青森銀行について教えてください。

現青森銀行の母体である第五十九国立銀行は1879年1月に創業しました。1943年10月には第五十九・津軽・板柳・八戸・青森の5行が合併し「青森銀行」が創立されました。そして2022年4月、みちのく銀行と経営統合し、金融持株会社である株式会社プロクレアホールディングスを設立し、持ち株会社体制に移行。さらに2025年1月には、青森銀行とみちのく銀行が合併し、新しく青森みちのく銀行としてスタートする予定です。

青森銀行は青森県と県内全10市、さらに県内大半の町村の指定金融機関として機能しています。一方でみちのく銀行は県内の中小企業と強いパイプで結ばれています。こうした両行グループの強みを掛け合わせ、ノウハウや情報・ネットワークを融合し、金融仲介機能の強化や地域の優位性などを活かした事業領域の拡大によって、地域・お客さまと共通価値を創造していきたいと考えています。 また、経営の合理化・効率化を通じて健全な経営基盤の構築を図り、金融システムの安定と 金融サービスの提供の維持・向上、地域産業のさらなる発展と地域住民の生活の向上につなげることで、地域とともに持続的な成長を続けていきます。

青森銀行の住宅ローンのホームページ
青森銀行の住宅ローンのホームページ

2.【導入の経緯】住宅ローンの金銭消費貸借契約書の電子化から着手

── セイコーソリューションズの「融資クラウドプラットフォーム」を導入された背景について教えてください。

銀行としてペーパーレス化には以前から取り組んできています。そんな中で特に住宅ローンの契約書類には紙が多いということは以前から言われていました。保険会社では契約手続きもタブレットで行なっていますし、地域内で競合する銀行においてもすでに住宅ローンの電子契約手続きを導入していました。そのような状況でしたので、お客様の印紙代負担を軽減できる住宅ローンの金銭消費貸借契約書の電子契約化は、検討を進めなければなりませんでした。
同時に法人向けの事業性融資の契約書の電子化についても検討しましたが、まずは個人向けの住宅ローンから立ち上げて、軌道に乗ってから法人向けに展開していく予定で検討を進めました。

検討を始めた当初は、契約の電子化だけでなく、住宅ローンの仮審査、正式審査も書面ではなくタブレット受付(ペーパーレス化)への変更も予定していました。しかし、そこまでを同時期に導入するとなると、システム構築に時間を要するのはもちろんのこと、行内の業務フロー変更や手続の改定なども必要になり、営業店側の業務が混乱するのではないかという恐れもありました。こうしたさまざまなハードルがあり、導入までにかなりの時間を要することから、まずは住宅ローンにおける金銭消費貸借契約書の電子化から着手することにしました。

「住宅ローンの金銭消費貸借契約書の電子化から着手しました」と、佐藤 明穂様
「住宅ローンの金銭消費貸借契約書の電子化から着手しました」と、佐藤 明穂様

── 「融資クラウドプラットフォーム」を導入検討の経緯を教えてください。

実は導入の検討を行う以前に、一度セイコーソリューションズから金融機関向け電子契約サービス「融資クラウドプラットフォーム」の紹介を受けていました。その時はこうした新しいシステムがあるんだという認識をしたに止まっていたようです。今回、電子契約の導入にあたり、どこの地方銀行が電子契約を導入していて、どこのシステムベンターから導入しているのかを調べたところ、いくつもの地方銀行からセイコーソリューションズの名前が上がってきて、認識を新たにしました。

具体的な検討ではセイコーソリューションズを含む3社から提案をいただき、サポート体制、コスト面(イニシャルコスト・ランニングコスト)、導入時期(導入開発期間といつからスタートできるのか)を比較検討するとともに、将来的な事業性融資への展開・用途拡大ができるかについて確認をしました。また、他行への導入実績の有無についても評価しました。
こうした比較項目を総合的に判断した結果、セイコーソリューションズの「融資クラウドプラットフォーム」の導入を決定しました。

3.【導入の決め手】 導入・定着後の支援と早期着手・導入が可能な点が決め手

── 「融資クラウドプラットフォーム」を導入された決め手を教えてください。

コスト面や体制などを踏まえての総合判断で「融資クラウドプラットフォーム」の導入を決めました。

1.導入&定着の支援がある。
新たなシステムを導入するわけですが、導入時はもちろんのこと、システム稼働後に定着するまでのサポート体制があることが大切でした。実際に稼働後に営業店からの質問の架電を受け、セイコーソリューションズに連絡を取り、ことなきを得たこともあります。

2.早期着手・導入が可能。
今回比較検討させてもらった3社の中で、セイコーソリューションズが導入時期について一番早期に着手が可能であった点、つまり一番早期にリリースできる点を評価しました。

3.事業性融資への用途拡大が可能。
「融資クラウドプラットフォーム」は住宅ローンにおける電子契約だけでなく、事業性融資への展開においても、追加のシステム開発は不要で対応可能だった点を評価しました。

「受付システムと電子契約システムの連携を重視しました」と小林 彩様
「受付システムと電子契約システムの連携を重視しました」と小林 彩様

── 「融資クラウドプラットフォーム」の導入はスムーズに進みましたか。

「融資クラウドプラットフォーム」の前後にはすでに導入済みのシステムが入っていますので、そのシステムとの連携が一番たいへんだったと思います。

UIの部分では、お客様側と営業店側に立った時に見やすいか、使いやすいかを重視して確認し、ボタンの位置などは変更をお願いしたところもあります。また、細かなところですが、最初に拝見したUIでは、顧客番号が何桁でも入力できるようになっていました。当行の顧客番号は10桁と決まっていますので、顧客番号欄は10桁以上の入力ができないように変更してもらいました。こうした細かな変更に対しても、セイコーソリューションズはていねいにかつ迅速に対応してくれました。

── 「融資クラウドプラットフォーム」を営業店に導入する前には研修などは行いましたか。

住宅ローンを扱うのはローンプラザです。ローンプラザは個人ローン全般のご相談からご契約手続きまで、専門スタッフがワンストップで対応しているローン専門拠点となっています。そこで、実際にローンプラザに出向いて、ほぼマンツーマンに近いかたちでの導入研修を実施しました。使い方のマニュアルを整備して行ったことはもちろんですが、一番重視したのはエラーメッセージが出たときに、きちんと対処してもらえるようにすることでした。通常のマニュアルには失敗した場合のリカバリー方法はほとんど出てきませんが、今回はそこを重視したのです。研修でも、オペレーションでわざと間違えてエラーメッセージが表示されるようにして、そこからどう操作すればもとの画面に戻って、修正や正しい次のステップに進めるかを、実際にリカバリーすることで身につけてもらいました。
私たちも営業店勤務の経験がありますが、接客時に一番焦るのはミスをしたときにどうリカバーできるかです。お客様が目の前にいたら、一瞬頭の中が真っ白になりますが、研修とはいえエラーメッセージを経験しておけば、どう対処したら正しいステップに戻れるかを思い出すことができると考えました。実際に稼働後、営業店からエラーメッセージに関する問い合わせが少なかったので、この研修は一定の効果はあったと考えています。

こうして2022年2月にローンプラザ八戸で試行がスタートし、5月末にローンプラザ青森・弘前・五所川原・三沢、そして県外店(函館・本通・盛岡・仙台・大館・能代)で取り扱いを開始し、6月下旬からは県内全店での取り扱いを開始しました(札幌・東京支店を除く)。

4 .【導入の効果】 全店平均80%以上、ローンプラザ90%以上が電子契約に

── 「融資クラウドプラットフォーム」」の導入効果を教えてください。

1.全店平均80%以上、ローンプラザ90%以上が電子契約に。
全店での取り扱いを開始した2022年6月で、電子契約の実行率は全店平均50%以上、ローンプラザ平均でも50%以上でした。住宅ローン契約では電子契約を推奨していることもあり、その後も着実に実行率を伸ばしており、9月以降は全店平均80%以上、ローンプラザ90%以上が電子契約になっています。
年配の行員の中には電子契約に及び腰の方もいましたが、そこは事前の研修とサポート体制で乗り切ることができました。

2.お客様の印紙代負担軽減と当行の電子契約手数料収入。
紙の契約書の時代、印紙代はお客様のご負担となっていました。電子化により、お客様の印紙代の負担は無くなります。一方で電子化により当行での事務作業が増加する面もありますので、その分として電子契約手数料をいただくことにしました。お客様にとってはトータルで負担が軽減され、当行にとっては新たな手数料収入になりました。

── セイコーソリューションズの導入開発から導入後までの対応を評価していただけますか。

一番はサポート体制が構築されていることです。営業店からの問い合わせは、目の前にお客様がいらして、手続きなどを進めている状況での問い合わせです。その問い合わせ、確認したい内容についてすぐにご回答いただける点は高く評価していますし、今後も継続してのサポート体制を期待しています。

青森銀行本店
青森銀行本店

5.【今後の期待】今後の展開に向けての提案やアドバイスに期待

── 「融資クラウドプラットフォーム」の今後の活用予定、サービス展開予定などがありましたらお聞かせください。

先にもお話ししたように個人向けの住宅ローンが軌道に乗ったら、次は法人向けの事業性融資での契約書電子化の展開を計画していました。しかし、みちのく銀行との統合を控えている現在、すぐに展開することは難しそうですので、統合に向けた各種進捗状況を見ながら具体化していければと考えています。

── セイコーソリューションズ並びに「融資クラウドプラットフォーム」への期待、リクエストなどありましたらお聞かせください。

書式やデザインの軽微な修正については、利用行のリクエストが複数よせられた場合に標準フォーマットとして対応くださるとお聞きしています。そういった対応を柔軟に対処していただければ助かります。
稼働した当時よりは少なくなりましたが、営業店からの問い合わせでセイコーソリューションズに確認が必要なものもありますので、そうしたサポート対応、そして今後の展開に向けてのご提案やアドバイスに期待しています。

 
青森銀行様、
本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

お客様プロフィール

◎青森銀行
URL https://www.a-bank.jp
※ 取材日時 2022年10月

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