導入事例

eviDaemon 公益社団法人 日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)

公益社団法人 日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)

 

「eviDaemon」導入による認定証書の電子化は、業務効率化に加え、電子化、DXを普及・啓発する立場である、JIIMAのイメージ向上にも貢献しています。

 

公益社団法人日本文書情報マネジメント協会
専務理事 甲斐荘博司様(左)
事務局 検定試験、ショウ·セミナー担当 小杉亮一様(右)

 

日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)は、ソフトウェアやソフトウェアサービスが電子帳簿保存法の要件を満たしているかを確認・認証して発行する「JIIMA認証」、「文書情報管理士」「文書情報マネージャー」といった検定試験の実施と認定などを行い、デジタル時代に有効な文書情報マネジメントの提案及びその普及啓発に取り組んでいます。JIIMAではセイコーソリューションズのデジタルエビデンス・ソリューション「eviDaemon」を導入し、検定試験の認定証書などの電子化を実施しました。導入の経緯と選定理由、導入効果について、公益社団法人 日本文書情報マネジメント協会 専務理事 甲斐荘博司様、事務局 検定試験 ショウ·セミナー担当 小杉亮一様にお話を伺いました。

課題

  • 電子化、DXを普及・啓発する立場として、電子認定証書の改ざん等に対する防止措置を適切にとりたかった。
  • 認定証書発行業務を電子化できず、手作業で進めていた。
  • 認定試験の合格者が増加するに伴い、担当者の業務負荷が増加していた。

導入効果

  • 電子認定証書に電子署名とタイムスタンプを付与することで、発行元の証明と非改ざんの証明が可能になった。
  • 認定証書の電子化により、直接的コストや担当者の業務負担軽減など、業務効率化を実現できた。
  • 簡単にタイムスタンプ・電子署名の付与ができ、認定証書発送コストの削減も可能になった。

1. 【導入の背景】 デジタル時代に有効な文書情報マネジメントの提案・普及啓発

── 公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)について教えてください。

当協会は65年前にマイクロフィルムの業界団体としてスタートしました。若い世代には、マイクロフィルムをご存知ない方もいらっしゃると思います。現在でも環境次第では数百年の保存性があり、一部の図書館や中央官庁、地方自治体で使用されています。1990年代になると、マイクロフィルムの管理から、光ディスクファイルを使ったイメージデータの管理へと変わってきました。そしてWindows95の登場によりパソコンでイメージデータを簡単に扱えるようになり、イメージデータでの管理が一般化してきました。

協会名も当初はマイクロ写真協会でしたが、日本画像情報マネジメント協会に改称し、2013年の公益社団法人化に伴い、現在の日本文書情報マネジメント協会となりました。この間に記録媒体はマイクロフィルムから電子媒体、さらにはクラウドへと広がっています。扱うコンテンツはマイクロ写真から画像情報、文書情報へと広がり、マネジメントの対象は記録、保管のみならず利活用にまで拡大されました。

現在、当協会では「JIIMA認証」と呼ばれる、市販されているソフトウェアやソフトウェアサービスが電子帳簿保存法(電帳法)の要件を満たしているかをチェックし、法的要件を満たしていると判断したものへの認証を実施しています。今後主流となる電子取引の取引情報の保存・管理については、JIIMA認証を取得したソフトウェア・ソフトウェアサービスを利用することにより、電帳法を深く把握していなくても法令に準拠して税務処理業務を行うことができ、リスク回避にも有効だと考えられます。
そしてJIIMAが認定する資格として「文書情報管理士」「文書情報マネージャー」の2つがあり、一般企業や官公庁・自治体、各種団体などで文書情報管理を推進するために活用いただいています。
このように当協会では、調査・研究、ISO/JISの標準化、人材育成、製品認証、政策提言などを通して、デジタル時代に有効な文書情報マネジメントの提案及びその普及啓発に取り組んでいます。

日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)のWebサイト
日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)のWebサイト

──現在、JIIMAではセイコーソリューションズのデジタルエビデンス・ソリューション「eviDaemon(エビデモン)」を導入し、活用されています。導入のきっかけを教えてください。

きっかけは2020年からのコロナ禍です。当協会も在宅勤務によるテレワークに切り換えました。同時にテレワークで業務を完結できるように、サーバーをクラウド化したり、請求業務を電子化するなど、業務の電子化を進めてきました。ところが、なかなか電子化できずにいたのが、文書情報管理士試験の合格者の認定証書授与業務でした。その業務の電子化を推進するために「eviDaemon」を導入しました。

2.【導入の経緯】検定試験の認定証書を電子化したい

──「eviDaemon」導入前は、どのようにして試験合格者に認定証書を授与していたのですか。

文書情報管理士検定試験は年2回、夏と冬にCBT方式(Computer Based Testing)で実施します。夏は7月20日~8月31日、冬は12月20日 ~ 2月10日が試験期間となっており、認定証書授与(認定証書の送付)は夏が9月下旬、冬が3月上旬となっています。

以前の認定証書授与は、合格者ごとに認定証書を印刷・発行し、封筒に詰めて封をし、封筒にあて名シールを貼り、まとめて郵便局に持ち込んで発送していました。作業そのものは、外部には委託していなく、当協会の検定試験担当者自らが行っていました。
コロナ禍による業務の電子化、テレワークの推進が進む中、この認定証書授与だけはアナログ作業のまま、残っていました。

コロナ禍で社会全体にテレワークが普及・一般化したこと、同時に業務の電子化が進んだことにより、文書情報管理士検定試験の受験者はコロナ前に比較してかなり増加しています。ここ最近は1回の検定試験で300名~400名が合格しており、さらに増加傾向にあることもあり、テレワークのさらなる推進と担当者の業務負担軽減のために、認定証書授与の電子化を検討し始めました。

「コロナ禍でテレワークが一般化したことが、導入のきっかけです」と、甲斐荘博司様
「コロナ禍でテレワークが一般化したことが、導入のきっかけです」と、甲斐荘博司様

── どのようにして導入ソリューションを選定されたのですか。

当協会はJIIMA認証を始め、調査・研究、ISO/JISの標準化などを通じて、電子化、DXを推進している立場にあります。検討を始めた当初は、単にPDFにすればいいのではないかという意見もありました。しかし、JIIMAが発行する認定証書ですから、確かにJIIMAが発行したことを証明でき、かつ改ざんできないようにするべきだと考え、電子署名、タイムスタンプを付与した認定証書を発行することになりました。

検討を開始したのは2022年夏頃です。当協会会員企業の中で、セイコーソリューションズを含む3~4社が電子署名、タイムスタンプに関するソリューションをお持ちでしたので、声をかけて話しを聞き比較検討しました。

3.【導入の決め手】 すべての要件をクリアし、コストメリットを考慮した提案

── 比較検討された要件について教えてください。

比較検討した主な要件は下記の通りです。
・法人格の電子証明書が利用出来る。
・AATL(Adobe認定証明書)に対応している電子署名が付与できる。
・自動的に電子署名とタイムスタンプが付与できる。
・リモートで署名ができる。
・電子証明書の保管ができる。
・導入にあたり、特別な機器などが必要ないこと。
・当協会で不足している知識に対するサポートがあること。

「複数の要件とコストで比較検討しました」と小杉亮一様
「複数の要件とコストで比較検討しました」と小杉亮一様

── セイコーソリューションズの「eviDaemon」の導入の決め手を教えてください。

まず上記の要件すべてをクリアしていたことに加え、総務大臣認定タイムスタンプの発行、国際標準規格「XAdES(XML規格)」、国際標準規格業界「PAdES(PDF規格)」に準拠した長期署名データの生成、検証ができることがあげられます。
また、検定試験は年2回、ずっと実施していきますから、従来かかっていたコスト以上になってしまうと、コストメリットを見い出せなくなりますので、かなり悩みました。
そんな中でセイコーソリューションズからはコストメリットに配慮した提案、秘密鍵と電子証明書の管理がクラウドでできるとありましたので、最終的にセイコーソリューションズの「eviDaemon」を導入しました。

── 「eviDaemon」の導入そのものはいかがでしたか。

当協会でeviDaemonモジュールをインストールすることには、正直なところ不安もありましたが、実際にインストールしてみると、かんたんにできました。
その後の設定の変更などについては、当協会だけでは知識が追いつかない部分がありましたが、セイコーソリューションズのサポートで無事に設定の変更などを終えました。

4 .【導入の効果】 検定試験の認定証書に加え、JIIMA認証の認定証書も電子化

── 「eviDaemon」の導入効果を教えてください。

1. 文書情報管理士検定試験認定証書授与を電子化できた。
「eviDaemon」導入により、文書情報管理士検定試験の2022年度冬試験から、認定書授与の電子化を実施できました。「eviDaemon」を導入して、サポートもあり、きちんと設定できていましたので、テレワークで対応できる環境は整っていました。ただ、初回だけは担当者2名が出社して、お互いに連携を取りながら、確認し合いながら認定書を発行しました。発行した認定証書は文書情報管理士検定試験の実施を依託しているCBTベンダーのサーバーにアップロードし、合格者はそこからダウンロードしてもらいました。また、希望する合格者にはプラスチックの認定カードを販売していましたが、電子化された認定証書はスマートフォンで画面表示ができますので、販売を取りやめました。

2.操作が簡単でマシンに対する負荷がなかった。
「eviDaemon」の操作自体は、認定証書のPDFを指定のフォルダにドラッグアンドドロップするだけで、電子署名とタイムスタンプが付与されますので、非常に簡単です。
また、1回に300~400の認定証書を処理しますので、マシンに対する負荷やどれだけ処理に時間がかかるのか心配をしましたが、実際には拍子抜けするくらい簡単で、あっという間に終わりました。使用しているマシンも特別なサーバーではなく、一般的なノートPCで動作が可能でした。

3. 文書情報マネージャー、JIIMA認証にも展開できた。
文書情報管理士検定試験に続き、文書情報マネージャーの認定証書授与を2023年6月より開始しました。それに先立ち、JIIMA認証認定証書の電子化も2023年3月下旬より実施しています。文書情報マネージャー同様、それぞれ紙で送付していたものが電子化できたことにより、業務の効率化、ペーパーレスにも貢献しています。

4. 認定証書の電子化により業務の効率化につながった。
文書情報管理士検定試験を例に取ると、合格者数×140円の切手代+封筒1通数十円+認定証書の用紙代のコストが削減されました。発送作業に関しては、担当者2名で最低半日~1日かかっていた作業がなくなり、本来行うべき業務に取り組めるようになりました。
これが文書情報マネージャー認定証書、JIIMA認証認定証書に関しても同様の削減につながっていますので、トータルではかなりの直接的なコストと、担当者の作業負荷が削減されています。

5. 電子化、DXを推進する立場としてアピールできた。
JIIMAは電子化、DXを推進する立場でもありますので、認定証書が紙であったことは、決してプラスのイメージにはつながりません。それが電子化できたことで、推進する立場であることを改めてアピールできたと考えます。

5.【今後の期待】電子化、DXの普及啓発に会員企業の皆様にもお手伝いいただきたい

── 「eviDaemon」の今後の活用予定などありましたらお聞かせください。

電子署名とタイムスタンプが必要となる文書については、すでに電子化が済んでおり、「eviDaemon」を通じて発行しています。それ以外では、当協会の会員証やWebサイトに掲載しているガイドラインのPDFでしょうか。会員証は、会員リストがWebサイトで公開されていますので、基本的に改ざんされる恐れはないと考えています。これらに対して電子署名、タイムスタンプを付与するかどうかは、検討していきたいと思います。

── セイコーソリューションズ並びに「eviDaemon」への期待、リクエストなどありましたらお聞かせください。

「eviDaemon」に間しては、わからないところがあったり、困った際にはサポート担当や営業担当の皆さんが適確な対応してくれましたし、サービスの利用については満足しています。

当協会は電子化、DXを普及啓発する立場でもあります。会員企業の皆様、会員であるセイコーソリューションズにもぜひ、普及啓発のお手伝いをしていただければ、たいへんありがたいと思います。

 

日本文書情報マネジメント協会様、
本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

お客様プロフィール

◎公益社団法人 日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)
URL https://www.jiima.or.jp
※ 取材日時 2023年9月

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